大動脈瘤

しっかり知ろう 大動脈瘤

大動脈瘤とはどんな病気でしょうか?

 

大動脈は心臓の左心室から出る血管で、心臓から送り出された血液はここを通って全身へ運ばれます。
大動脈は全身の血管の中でも最も太く、成人では直径がおよそ2〜3.5cm、
長さは45〜50cmほどあります。
この大動脈の壁の一部がこぶ状に膨らみ、直径が健康な大動脈の1.5倍以上になったものを、大動脈瘤と呼ぶのです。
大動脈瘤には、血管の壁の両側が膨らむものもあれば、
片側だけが膨らむものもあります。

 

大動脈瘤は大動脈のどの部分にも発生する可能性があり、
横隔膜より上にできるものを胸部大動脈瘤、
横隔膜より下にできるのを腹部大動脈りゅうと言います。

 

日本人に多いのは、おへその辺りの大動脈にできる腹部大動脈瘤と、
心臓の上部の大動脈がカーブしている辺りにできる、胸部大動脈瘤です。

大動脈瘤の原因

大動脈瘤ができる原因とは、どんなものでしょうか?

 

大動脈瘤の大きな原因は高血圧と動脈硬化にあると言われています。
高血圧や動脈硬化によって、血管の壁がもろくなると、血液の圧力に耐え切れなくなり、こぶが生じやすくなるのです。

 

動脈硬化が起こる背景には、高血圧のほか、肥満、加齢などがあります。
そのため、大動脈瘤は動脈硬化が進行しやすい70歳以上の人に多く見られますが、
近年では50〜60歳代の男性にも増えています。
日本では、高齢化の影響で患者数が増えており、現在この病気で手術を受ける患者数は、20年前のおよそ三倍だそうです。
年間約3万人が手術を受けているそうで、ちょっと驚きの数字ですね。

 

大動脈瘤は多くは症状が現れないため、早期発見がしにくい病気です。

 

次回はその発見方法などを詳しくご説明していきます。

大動脈瘤の自覚症状とは?

大動脈瘤があっても、多くは症状が現れることはありません。
まれに弓部大動脈瘤では弓部大動脈の近くにある声帯に関わる神経が圧迫されることで、
声がかすれるなどの症状が現れたり、
腹部大動脈瘤では、お腹を手で触ると強く脈打っているのを感じる場合もありますが、
多くは何の自覚症状もありません。

 

しかし、大半の方は大動脈瘤が破裂する直前あるいは破裂してから症状が現れます。
胸、背中、お腹、腰など、大動脈瘤がある部位にそれまで経験したことのないほどの激しい痛みが起こります。
そのような症状がある場合は、緊急に治療が必要ですから、
ただちに救急車を呼んで、病院へ急ぎましょう。
大動脈瘤が破裂した場合は、大出血を起こして命に係わるからです。

 

すでに破裂している場合は、緊急手術が行われますが、
手術をしても約半数は救命が困難です。
そのため、破裂する前に大動脈瘤を発見して治療を受けることが大切となってきます。

大動脈瘤を早期発見するには?

大動脈瘤を早期発見するためには、定期的に健康診断や人間ドッグを受けることが大切です。
胸部大動脈瘤は胸部エックス線検査、
腹部大動脈瘤は超音波検査により発見できます。
より詳しく調べるためには、造影剤を使ったCT検査が行われます。

 

大動脈瘤はが見つかった場合、こぶが小さければ薬物療法がおこなわれます。
降圧薬を用いて厳重に血圧を管理し、経過観察を行いながら医師が破裂の危険性を予測して、手術の必要性などを検討します。
手術の目安としては、胸部大動脈瘤では6cm以上、
腹部大動脈りゅうでは5cm以上でステントグラフト内挿術や人工血管置換術などの治療が検討されます。

 

年に1回、健康診断を受ける習慣を持つよう心がけたいものですね。